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【保育士×Tシャツ制作販売】「自分でできる」を積み重ねる『ココT』で、忙しい親子を応援したい!
~現役保育士が本気で着やすいTシャツ考えました!~
「自分でできる」を積み重ねる『ココT』で、忙しい親子を応援したい!
今回ご紹介するのは、後ろ前にならないTシャツ「ココT」の制作販売を手がけていらしゃる、保育士で「あいすファクトリー」代表の野北ちかさんです。
野北 ちか
保育士/起業家/あいすファクトリー代表
『私も、あなたも、地球にも。うれしいを着るココT』を製作する現役保育士。成功体験を積み重ね自己肯定感を高める服とキッズデザイン賞受賞。上質のオーガニックコットンを使用したこだわりの日本製。
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【保育士が、なぜTシャツ作り? ~保育士だから気づけたこと~】
お着替えスタートしたばかりの 1・2 歳の子どもたちは、Tシャツに頭や手を通すだけで精一杯。
保育士として働く中で、理解できない前後や裏表 に悪戦苦闘し、苦手意識を抱いたり、お着替えに意欲的になれない姿を多く見てきました。
保育士という仕事に携わりながら「もっと着やすい幼い子ども用の服があったらいい!」と思っていた私は、思い切って縫製会社に作ってもらいました。
「ココT」は、『後ろ前ちゃん』にがっかりしている子どもたちと、いつも忙しいママたちを応援する、前後リバーシブルのオーガニックコットン T シャツです。
普通、T シャツは身体にフィットするように前と後ろの型紙が違います。
しかし、前後を同じ形にすることで、“前後を間違えて着る”という失敗がない T シャツを作りました。
このTシャツを着ることで、子どもたちには「自分で着られた」という成功体験が生まれます。それは「自分でできる!」という気持ちを育てることにもつながります。
また、私の元パートナーは、アスペルガー症候群という個性を持っていました。
彼の服の前後や裏表に、家族の私もため息をついていたのです。
そうした経験から、子どもから高齢者まで、当たり前に困りを感じている全ての方に心軽やかに過ごしてほしいと願い、大人用のTシャツも作成しました。
そして、当たり前に困りを感じているのは日本の子どもたちだけではありません。
世界中の子どもから高齢者まで、当たり前に困りを感じているあらゆる方とご家族の方にも心軽やかに過ごしてほしい。
「よりよい服」が「よりよい生き方」へと繋がって、彩って、拡がって、愛に溢れた未来へと向かうよう。私も、あなたも、地球にも。
「ココT」は、幼稚園教諭・保育士・三姉妹の母・発達障害のパートナーを経験した私が『大忙しのママとパパ、 そしてお子さんが笑顔で 1 日をスタートしてほしい』と願い作りました。
「うれしい」を着る「ココT」で世界中に笑顔を届けられることを夢見て、これからも活動していきたいと思います。
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【行動したからこそ、見えたもの】
そもそも、この活動を始めたきっかけはシングルマザーになり、娘たちの夢を応援するための学費を貯めることでした。
しかし起業というものはそんなに甘いものではなく、経済面から言えば貯金が増えているとは言えません。
強いて言えば、プライベートの時間も割きマイナスになっていると思います。
しかし、自分が心熱くなれることに挑戦し、少しずつですが前に進んでいること、これまで今まで味わうことができなかった自分らしい生き方、自分しか味わえない喜びを経験していると実感しています。
また、そんな試行錯誤しながら活動を続ける姿を娘たちに見せることも、これからの娘たちの人生のどこかで糧になることがあるのではないかと思っています。
そして、この活動を通して保育士としての生活では絶対に出会わなかった方々と繋がり、仲間になることができました。
この経験に興味を持っていただいた方から、取材を受けたり、お話しを依頼されたりと、製作・販売以外のお誘いをお受けすることも多くなりました。
自分の経験を伝えることで、聞いていただいた方の心を熱くし、その方が抱かれる夢に対しても背中を押すことができている、という喜びも味わっています。
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「ココT」の制作販売を通して、精力的に活動していらっしゃる野北さんですが、最近、子育てに対して思うことがあるそうです。
保育士として、また母として、子どものプロがご自身の「子育て」に感じていらっしゃること、とは・・・?
【母として保育士として、最近考えること】
保育士が母となり我が子の育児をするということ。
保育士という経験から自分の育児に対する思いは強く、専門的な知識を用いたリアルな実践となります。
仕事は勤務時間が終われば解放され、リフレッシュすることができますが、我が子の育児はそうはいきません。
それでもモチベーションを維持し、理想の育児に励む保育士ママは多いと思います。
今振り返ると働きながら毎朝、自分が納得できる 3 人の連絡帳を記入するのは本当に大変でした。
(私の場合は理想の育児を目指すことは難しくなり、段々妥協していきましたが。笑)
その育児が正しかったかどうかは別として、自分なりに後悔のない育児を経て、娘たちは思春期を向かえました。
今、幼児期のように親の思う方向へと促すことは簡単ではない毎日。
そんな時、私は「自分の育児が間違っていたのか」とため息をついていました。
自分よがりで恥ずかしいことですが、私は保育士の子どもは、何の問題もなく成長していくべきだと勘違いしていたのです。
だから、ちょっと想像しなかったことが起こると、自分のせいだと自分を責めました。
知らず知らずに娘たちにも負担をかけていたかもしれません。
しかし、保育士も人間、子どもたちも人間、思い描くようにならないのが人生。
そんな経験を経て、それぞれの道を歩んで いくのが人生ではないかと、最近になってやっと考えるようになりました。
いっぱい何かにぶつかって、そんな時、「どんな風に立ち上がっていくか」を大人になる前に経験してほしい、そう願います。
ほどよい距離を保ちながら、親子で歩んでいく経験を大切にできたらと思います。
保育士の専門は幼児期です。
子どもが就学したら手探りです。
人生というと大袈裟ですが、人生って些細なことの積み重ねだと思います。
だから「保育士なのに」という自分の鎧は早いうちに脱いじゃって、今は小さな喜びを日々親子で味わっ ていけたらと思っています。
そしてこの経験を伝えることで、保育士ママさんたちの肩の荷が軽くなれば本当に嬉しいです。